【注意が必要】相続放棄をする前に確認すべき期限と手続きの流れ

相続放棄を失敗せずに行う。相続放棄に強い弁護士が相続放棄の仕方を徹底解説 府中市の相続に強い弁護士 弁護士法人あさかぜ法律事務所府中大國魂神社前事務所

相続放棄とは、相続人が相続の権利を完全に放棄する手続きです。これにより、プラスの財産(資産)もマイナスの財産(負債・借金)も一切受け継がなくなります。重要なのは、プラスの財産だけを受け継ぎ、マイナスの財産を拒否することはできない点です。

相続放棄の手続きには特定のルールがあり、思わぬミスで失敗すると、被相続人の借金を背負うことになりかねません。正しい知識と適切な手続きを踏めば、不当な負担なく将来を築くことができます。

これから相続放棄をお考えの方のために、失敗しないための弁護士選びのポイントと正確な手続き方法についてご説明します。

相続案件の基本的な流れフローチャート

相続放棄とは?府中・多摩地域でも注意したい基本知識

相続放棄の意味と効果

相続放棄は、相続人が自らの相続権を放棄することで、プラスの財産だけでなくマイナスの財産(借金など)も一切引き継がない制度です。放棄を選択することで、借金の相続を回避できる一方、プラス財産も一切取得できません。

申立先と熟慮期間について

相続放棄は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立てます。申立て期限は「相続の開始を知った日から3か月以内(熟慮期間)」であり、延長申請も可能です。この期間を過ぎると、原則として相続放棄は認められません。

撤回や単純承認との関係

一度家庭裁判所で相続放棄が受理されると、原則として撤回はできません。また、遺産を処分したり相続を前提とした行為(例:預金の引き出し)をすると「単純承認」と見なされ、放棄ができなくなる可能性があります。

相続放棄の具体的な手続きと注意点

相続放棄の流れと必要書類

相続放棄の手続きは、申述書の作成・提出に始まり、家庭裁判所による審査を経て進行します。必要書類としては、相続放棄申述書、戸籍謄本、被相続人の住民票除票・戸籍除籍謄本などがあり、いずれも正確に揃えることが重要です。

家庭裁判所への申立てと熟慮期間の延長

熟慮期間の3か月以内に判断がつかない場合は、家庭裁判所に熟慮期間の延長申請が可能です。これは一度きりでなく、やむを得ない事情があれば再申請も可能です。

相続放棄後の祭祀財産の扱い(仏壇・お墓など)

相続放棄をしても、仏壇・お墓・過去帳などの祭祀財産は民法上の相続財産には含まれず、祭祀承継者が習慣に従って承継します。これらを受け継いでも相続放棄が否定されることはありません。例えば、相続放棄前に仏壇を自宅に移動したことなどで法定単純承認として相続放棄ができなくなるわけではありません。

民法第897条(祭祀に関する権利の承継)
1 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

参考 相続税法第12条2項(相続税の非課税財産)

次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。
2 墓所、霊びよう及び祭具並びにこれらに準ずるもの

相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書の違い

相続放棄申述受理通知書

相続放棄手続きが家庭裁判所において受理されましたら、相続放棄申述受理通知書が申立人に対して送付されます(交付申請は不要ですが、一通しか発行されません)。

相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書 相続に強い弁護士法人あさかぜ法律事務所府中大國魂神社前事務所の弁護士が解説

相続放棄申述受理通知書 
一通しか発行されません。

相続放棄受理証明書

相続放棄の申述が家庭裁判所において審理され、相続放棄が受理されますと交付申請に基づき相続放棄受理証明書が発行されます。

 これにより、自分が相続放棄をしたことを証明することができますので、貸金業者からの支払い請求などに対してこの受理証明書を提出することで借金の支払いを免れることができます(証明書の発行手続きを別途裁判所に行う必要があります。受理通知書で代替できることも多いです。)。また、金融機関での相続財産である預金の払い戻しの際に、自分以外の共同相続人が相続放棄をしたことを証明する手段としても用いることもできます。

相続に強い弁護士法人あさかぜ法律事務所府中大國魂神社前事務所の弁護士が解説 相続放棄の申述が家庭裁判所において審理され、相続放棄が受理されますと交付申請に基づき相続放棄受理証明書が発行されます。

 これにより、自分が相続放棄をしたことを証明することができますので、貸金業者からの支払い請求などに対してこの受理証明書を提出することで借金の支払いを免れることができます(証明書の発行手続きを別途裁判所に行う必要があります。受理通知書で代替できることも多いです。)。

相続放棄申述受理証明書 
発行してもらうためには交付申請が必要になります。

【注意】次順位相続人の熟慮期間はいつから?カウント開始の基準を解説

相続関係図

被相続人の借金を丸かぶりしたくない

被相続人が死亡し、子(第一順位)、親(第二順位)、兄弟(第三順位)がいるとします。被相続人に借金が多かったことをみなさんご存知で、みなさんいち早く相続放棄をして被相続人の借金を丸かぶりすることは避けたいと考えています。

では、いつの時点で各順位の相続人は相続放棄をすることができ、借金を肩代わりさせられるかもしれない心労から解放されるのでしょうか。

相続人の地位の移転

まず相続放棄も相続順位に従って手続きを行うことになります。

第一順位の子(全員)が相続放棄した場合、次順位の親に相続人の地位が移転します。その第二順位の親、祖父母(全員)が相続放棄をした場合に、第三順位に相続人の地位が移転します。

ただし、相続放棄は民法915条1項に規定されているように、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に手続きをしなければなりません(熟慮期間)。

そうすると、第2順位、第3順位の親や兄弟は、被相続人が死亡したことを知った時からカウントされるのであれば、相続放棄手続きをするまでに3か月はゆうに経過してしまいます。

自分の相続放棄は熟慮期間内にすることができず、被相続人の借金を丸かぶりしないといけないのではないかとご不安に思われる方も多く、ご相談時によくお話をいただきます。

しかし、ご安心ください。第二順位、第三順位相続人の相続放棄の熟慮期間は、その方が相続人になってからカウントが始まります。つまり、先順位相続人の相続放棄が確定してから自分の熟慮期間が始まります。

例えば、第三順位の方の相続放棄の熟慮期間は、第二順位全員の相続放棄が完了して自分が相続人になったことを知った時からスタートします。

具体例を挙げてご説明しますと、同居している第二順位相続人(親)宛の家庭裁判所からの相続放棄申述受理通知書に目を通した日が「自己のために相続の開始があったことを知った時」になりますので、その翌日から熟慮期間のカウントが始まります。そこから3か月以内に相続放棄の申述を管轄の家庭裁判所へ申し出ていただくことになります。

◆参考◆ 相続放棄についての民法の条文
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
民法915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)

第二順位内における相続人の地位の移転について

なお、第二順位内の相続順位については、被相続人と近い尊属(親等の小さい尊属)が相続人となります(889条1項1号)。父が存命、母が被相続人の死亡より先に死亡して母方の祖父母が存命の場合、一親等の父のみが相続人となり、二親等である母方の祖父母が母を代襲相続するということはありません。

現実的には、父母、祖父母まででしょうから、これを前提に具体例を挙げますと、父母のうち母が被相続人より先に死亡しており、父方の祖父母、母方の祖父母それぞれ存命の場合、まず一親等の父のみが第二順位の相続人になります。

その父が相続放棄をすることで二親等の父方の祖父母及び母方の祖父母4名それぞれが第二順位の相続人になります。

この4名全員が相続放棄をすることで、第三順位の兄弟姉妹に相続権が移行し、兄弟姉妹について相続放棄の熟慮期間がスタートします。

こんなはずじゃなかった…相続放棄の失敗事例とその背景とは?

相続放棄についての理解が不十分なために発生してしまった主な4つの具体的な失敗例をケースを見てみましょう。

失敗例❶ 期間徒過 

1つ目は「期間徒過」です。

相続が発生した場合、相続人は「自己のために相続の開始があったことを知った時から」3か月の熟慮期間内に管轄の家庭裁判所に相続放棄の申し立てを行う必要があります。この期限を過ぎると、法的には相続を承認したとみなされ(これも法定単純承認の一種です)、被相続人の借金も含めて相続財産を引き継ぐことになります。

なお、相続の事実を知らなかった場合はこの3か月の熟慮期間はスタートしませんので、「死亡の日から3か月」に手続きしないと相続放棄はできないとの認識は誤りです。

相続人が複数いる場合、自分以外の全員が期限内に放棄し、一人だけ放棄をしなかった場合、その相続人はすべての借金を含め相続することになりますので注意が必要です。

相続順位が異なる場合、例えば、自分が被相続人の唯一の兄弟姉妹(第3順位)であった場合は、第1順位である被相続人の子たち全員放棄したのを知って3か月放置した場合には相続を承認したこととなります。第1順位の子全員が放棄した事を知った時から熟慮期間はスタートしますから、第2順位である被相続人の両親など尊属がいない場合、第3順位の相続人は熟慮期間がすでに経過したものとして相続放棄できないことになってしまう可能性が出てきます。

失敗例❷ 書類不備などの手続きミス

2つ目は「書類不備などの手続きミス」です。

相続放棄を行う際、必要な書類の提出が求められますが、これらの書類に不備があると相続放棄の申述書は受理してもらえません。例えば、遺産放棄申述書に記入漏れや誤記がある、必要な添付書類が欠けているなどが該当します。手続きのミスがあると、相続放棄が認められず、結果的に相続財産や借金を承認したことになってしまいます。

失敗例❸ 預貯金解約などの法定単純承認 

3つ目は「法定単純承認」です。

相続放棄を考慮している場合でも、遺産に対して何らかの処分行為や管理行為を行うと、法定単純承認(民法921条各号)とみなされることがあります。

例えば、遺産分けの話し合いである遺産分割協議に参加する、被相続人の財産を使用する(典型例は預貯金を引き出すこと)、被相続人の債務を被相続人の財産で弁済する、遺品を整理するなどの行為がこれに該当し得ます。これらの行為は、相続を受け入れたからこそ行う行為ですので、相続する承認に当たると解釈される可能性が高く、その結果、相続放棄ができなくなることがあります。そのため、相続放棄を検討している場合は、慎重に行動する必要があります。なお、被相続人の債務を相続人自らの財産で弁済することは、相続人自身の財産を処分しているだけで被相続人の財産を処分するものではないため、法定単純承認には該当しません。

被相続人の預貯金から葬儀費用、仏壇、墓石購入費用を支払った場合

被相続人の預貯金から葬儀費用、仏壇、墓石購入費用を支払った場合に法定単純承認にあたり相続放棄は受理されなくなるのか?という現実的な問題があります。

法定単純承認の定義からは、被相続人の財産を使用する(典型例は預貯金を引き出すこと)、被相続人の債務を被相続人の財産で弁済する民法921条1項に該当します。

ただ、大阪高裁の裁判例があり、以下のように相続財産から葬儀費用を支出する行為は,法定単純承認たる「相続財産の処分」(民法921条1号)には当たらないというべきである。と判示しています。

【大阪高決H14.7.3家月55巻1号82頁】
「葬儀は,人生最後の儀式として執り行われるものであり,社会的儀式として必要性が高いものである。そして,その時期を予想することは困難であり,葬儀を執り行うためには,必ず相当額の支出を伴うものである。これらの点からすれば,被相続人に相続財産があるときは,それをもって被相続人の葬儀費用に充当しても社会的見地から不当なものとはいえない。また,相続財産があるにもかかわらず,これを使用することが許されず,相続人らに資力がないため被相続人の葬儀を執り行うことができないとすれば,むしろ非常識な結果といわざるを得ないものである。したがって,相続財産から葬儀費用を支出する行為は,法定単純承認たる「相続財産の処分」(民法921条1号)には当たらないというべきである。」
「葬儀の後に仏壇や墓石を購入することは,葬儀費用の支払とはやや趣を異にする面があるが,一家の中心である夫ないし父親が死亡した場合に,その家に仏壇がなければこれを購入して死者をまつり,墓地があっても墓石がない場合にこれを建立して死者を弔うことも我が国の通常の慣例であり,預貯金等の被相続人の財産が残された場合で,相続債務があることが分からない場合に,遺族がこれを利用することも自然な行動である。
 そして,抗告人らが購入した仏壇及び墓石は,いずれも社会的にみて不相当に高額のものとも断定できない上,抗告人らが香典及び本件貯金からこれらの購入費用を支出したが不足したため,一部は自己負担したものである。
 これらの事実に,葬儀費用に関して先に述べたところと併せ考えると,抗告人らが本件貯金を解約し,その一部を仏壇及び墓石の購入費用の一部に充てた行為が,明白に法定単純承認たる「相続財産の処分」(民法921条1号)に当たるとは断定できないというべきである。」

◆民法(法定単純承認)
第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。
◆民法921条(法定単純承認)

失敗例❹ 安易な相続放棄

4つ目は「安易な相続放棄」です。

これは上記3つとは逆のパターンで、相続放棄は家庭裁判所に受理してもらいできたものの、相続放棄をするべきではなかったという失敗例です。

相続放棄は、被相続人の負債がプラスの財産を上回る場合などに考慮されることが多いですが、被相続人の資産状況を正確に把握していない場合、安易に放棄を決めてしまうと大きな損失を招く可能性があります。

例えば、借金の存在は知っていても、隠れた資産や意外な遺産が後から発見されることがあります。一度相続放棄を行うと、通常は相続放棄を撤回することはできません。したがって、相続放棄をする前には、被相続人の全財産と負債の詳細な調査を行うことが不可欠です。

もちろん、プラスの財産の方が多い場合でも相続放棄をするかどうかはその相続人の自由ですが、相続をするなり相続放棄をするなり、いずれにしても納得いく手続きを進められるようにしっかり調査を進めましょう。

【府中・多摩地方の相続】感情だけで相続放棄を決断する前に

【府中・多摩地方の相続】感情だけで相続放棄を決断する前に

相続放棄は感情的な理由だけで判断すると、取り返しのつかない後悔を招くことがあります。一度手続きをすると二度と撤回できないこの重大な決断には、相続放棄の仕組み、…

【完全ガイド】相続放棄の手続きの流れと期限の注意点

相続放棄は相続開始から3か月以内という厳格な期限があり、この期限を逃すと取り返しのつかない事態となります。申述書の作成ミスや必要書類の不備、さらには知らずに「相続の承認」と見なされる行為をしてしまうなど、多くの落とし穴が存在します。

相続問題に精通した弁護士に依頼することで、こうしたリスクを回避し、確実に手続きを完了させることができます。相続放棄に精通した弁護士への適切な投資は、将来の大きな負担を防ぐスマートな選択といえます。

相続財産調査を徹底することが基本

相続放棄を失敗しないよう適切に判断するためには、まず相続財産調査をきちんと行うことが重要です。亡くなった方がどのような財産を残しているのか、また借金があるのかを把握するため、不動産、預貯金、証券、生命保険金、負債などを項目ごとに整理し財産目録を作成することが必要となります。

熟慮期間の3か月を見落とさない

その調査を行いながら、3か月の熟慮期間の経過に気をつけなければなりません。必要に応じてこの熟慮期間の伸長の申出を家庭裁判所にすることもしっかり意識してください。

相続財産に触れる行為は避けるべき

また、法定相続人が死亡者の預貯金などの財産を管理したり、賃貸アパートやスマホの解約を行ったりすることは被相続人の財産に関わる行為であり、相続放棄を検討している場合は避けるべきです。法定単純承認に該当し相続放棄ができなくなる危険があるからです。

見落とされた資産が後から判明することも

もう一点、安易な相続放棄は避けましょう。一見、借金だけのように思われても、実は価値のある財産が隠れていることもあります。これを3か月の熟慮期間内に済ませなければならず、あっという間に熟慮期間は経過していきます。その後で預金通帳や株式が見つかったとしても、一度相続放棄を行った後では相続放棄は撤回することは原則として許されておらず手遅れです。

専門家に相談してリスクを回避する

このように相続放棄は決断するために十分な情報とその情報の迅速な収集が必要となります。なるべく時間を浪費しないよう、相続放棄を失敗しないように、お住まいの近くで相続放棄について熟知している相続に強い弁護士への相談もご検討ください。

また、相続に関する業務に携わる弁護士には、遺産評価や税金計算などの相続全般についての専門知識も必要となります。当事務所の弁護士は必要な税務の知識を習得しており、また高度な税務知識が必要となる時は府中・多摩地方で相続を中心に活躍する税理士に連絡を取り精度の高い判断ができるようにしております。

相続に強い弁護士法人あさかぜ法律事務所府中大國魂神社前事務所の弁護士が解説

弁護士と司法書士、どちらに依頼すべきか?

相続放棄手続きを進める際、弁護士と司法書士のそれぞれの役割と違いを理解することは重要です。

弁護士は、相続放棄をすることにより債権者とトラブルに発展する恐れがある場合には頼りになる存在です。裁判所から届く照会書・回答書に代わりに回答してもらえるだけでなく、債権者からの取立てに対する交渉や訴訟も代行するなど代理人として包括的に行動ができ、債権者対応を全て負かすことができる安心できる存在です。

一方、司法書士は書類収集などの面倒な手続きを代行してくれます。また、裁判所からの照会書・回答書への回答方法をアドバイスしてもらえます。しかし、債権者からの取立ての交渉・訴訟は元金140万円以下までしか対応できないという点がデメリットとなります。

これらの違いを理解して、自身の状況に最適なプロフェッショナルを選ぶことが大切です。

【まとめ】相続放棄に失敗しないために、弁護士に依頼すべき3つの理由

相続放棄は、制度自体はシンプルに見えるものの、実際の手続きでは「熟慮期間のカウント」「申述書の不備」「単純承認との誤解」など、想定外の落とし穴が多く存在します。
また、相続人の順位が移動する場面や、親族間・債権者との調整が必要になるケースも少なくありません。
こうした状況で的確な判断と対応を行うには、法的知識と実務経験を備えた弁護士のサポートが非常に有効です。
以下では、弁護士に依頼することで得られる具体的なメリットを3つの視点からご紹介します。

失敗リスクの高い手続きを正確に進められる

相続放棄は一見単純な手続きに思えますが、実際には多くの落とし穴があります。「相続放棄申述書」の記載ミスや書類不備で申立てが却下されるケースは少なくありません。また、被相続人の預金引き出しや遺品処分などが「相続の承認」と判断され、相続放棄が認められなくなることもあります。

さらに、被相続人の財産状況が不明確な場合には、「熟慮期間(3ヶ月)の伸長」という申立てが必要となることもあり、専門的な知識が求められます。

こうした複雑な状況に対応するためには、相続放棄に精通した弁護士への依頼がおすすめです。相続放棄に精通した弁護士は申述書作成から書類収集まで正確に行い、「相続の承認」と見なされる行為を事前にご依頼者に説明してリスクを回避していただきます。

相続放棄を確実に成功させ、将来の不安を取り除くためにも、相続放棄に精通した弁護士のサポートを受けることが賢明な選択といえるでしょう。

複雑な相続関係(次順位対応・財産調査)に強い

相続放棄をすると、次の順位の相続人に相続権が移ります。子が相続放棄をすると被相続人の親に、親が相続放棄すると被相続人の兄弟姉妹に相続権が移行します。

この次順位者への影響を考慮せずに相続放棄を行うと、家族間、親族間のトラブルに発展することがあります。弁護士は相続関係を図式化し、誰に相続権が移るのかを明確にした上で、次順位者への影響も含めた相続放棄のアドバイスを提供します。

また、被相続人の財産調査も重要なポイントです。不動産、預貯金、保険、株式、負債など、相続財産の全容を把握しないまま相続放棄を決断すると、後になって「実は大きな資産があった」と知って後悔することもあります。

相続に詳しい弁護士は金融機関や各種財産の調査方法を熟知しており、被相続人の財産状況を正確に把握するためのサポートを行います。

債権者・親族との交渉も代行できる

被相続人に債務がある場合、債権者から相続人に対して返済を求める連絡が来ることがあります。中には相続放棄の手続き中であっても、強引な取立てを行う業者もいるのが現実です。

弁護士に依頼すれば、こうした債権者との交渉を全て代行してもらえます。弁護士名での対応となるため、不当な取立てが止まるケースが多く、精神的な負担を大きく軽減できます。

また、相続をめぐって親族間で意見の対立が生じることも少なくありません。「なぜ相続放棄するのか」「財産の一部だけでも引き受けるべきではないか」といった意見の相違から、家族関係が悪化するケースもあります。

弁護士は法的な観点から中立的な立場で親族間の調整を行い、感情的な対立を最小限に抑える役割を果たします。特に複数の相続人が存在するケースでは、弁護士による調整が円滑な相続放棄手続きの鍵となります。

さらに、相続放棄後に必要となる「相続放棄申述受理証明書」の取得や、債権者への通知なども一括して対応しております。手続き完了後のフォローも安心です。

弁護士選びと相続放棄手続きの重要性の再確認

無料法律相談にお越しください

このように相続放棄は、適切な知識や手続きを怠ると失敗することになります。弁護士の選択は重要であり、相続関係に深い理解があるか、コミュニケーションが密に取れる距離に事務所があるか、などの要素を確認してください。

相続放棄は限られた期間に判断する必要があり、専門的な助言が必要となります。

地域に密着して密に連絡が取れる相続に強い当事務所の無料法律相談にお越しになることをぜひご検討ください。

相続放棄の不安、府中・調布・小金井・稲城、地域密着で解決します

当事務所では、府中市・調布市・稲城市・多摩市・狛江市・小金井市・国分寺市・国立市・立川市・武蔵野市など、多摩地域全域の相続に関するご相談を承っております。各地域ごとに異なる家族構成や不動産事情にも配慮しながら、遺留分侵害額請求や遺産分割なども多く取り扱っており、親切に迅速に対応いたします。

【LINE無料相談】相続のご相談も24時間対応、LINEで手軽に解決へ

【電話無料相談】家族や仕事に合わせて短時間で完了!電話相談で手軽に相続のお悩みを解決へ

相続放棄 解決実績の一例

熟慮期間経過後の相続放棄申述が受理された事例

死亡を知ってから3か月後に、被相続人の生活保護費数百万円の返還請求を自治体から受けたため、当事務所にて事情の説明を詳しく行い家庭裁判所に相続放棄申述を受理してもらいました。これにより、被相続人の生活保護費についての返還請求を免れることができました。

多摩・府中市で相続放棄 失敗しないための❹つのポイントをご紹介
府中で相続のご相談は弁護士法人あさかぜ法律事務所へ。
財産調査をしていると3か月はすぐ過ぎます

相続放棄については正しい情報と適切な手続きがあれば、不当な負担を背負うことなく未来を切り開くことができます。

ただ、相続放棄にも独自のルールや手続きが伴います。

相続放棄は簡単に説明すると、相続人が自らの権利を放棄することで、プラスの相続財産だけでなくマイナスの相続財産つまり債務(借金)も受け継がないようにする手続きです。プラスの財産だけ受け継いで、マイナスの財産は受け継がないということはできません。

しかし、相続放棄は思わぬことで失敗し、相続で発生した借金を受け継ぐことになるなど思わぬ失敗がありえます。相続放棄をご検討されている皆さまに、相続放棄について、失敗しないための弁護士選びと手続き方法について解説します。

相続放棄の無料法律相談 弁護士費用のご説明

相談料 初回無料(時間制限なし)

相談料とは、面談による相談の対価としていただくお金です。

相続に関するご相談は、初回無料でお受けしております。

時間制限もありません。お悩みや聞きたいことを時間を気にせずお話しください。私たち弁護士がしっかりとご相談者さまのお悩みやご要望をお伺いし、適切な法的アドバイスを差し上げております。

相続放棄 弁護士費用

着手金

11万円(消費税込み)相続放棄に伴う財産調査費用も含んでの着手金となります。

着手金減額(財産調査不要プラン)

相続財産調査手続きを行わず、相続放棄手続きのみを委任いただく場合着手金は7.7万円(消費税込み)です。

先順位の相続人が放棄していることをご存知の場合などにはこちらの財産調査不要プランがおすすめです。

着手金が追加発生する場合(相続放棄申述が受理されない恐れがある場合)

追加着手金22万円(消費税込み)

・自分が相続人になったことを知った日から既に3か月が経過している場合

・被相続人の財産を引き出すなど法定単純承認行為と評価される可能性がある場合 などが相続放棄申述が受理されない恐れがある場合に該当します。

初回無料相談の際に、追加着手金の発生する事例であるかを判断し、明確に着手金額をご提示差し上げます。

契約締結後に追加でお支払いしていただくことはございません。

なお、申述が却下された場合でも着手金の返還はございません

報酬  

0円  いずれの場合にも報酬請求は一切ありません

日当

出張日当及び出廷日当が発生する場合があります。

(ただ、相続放棄申述書の管轄家庭裁判所への提出は書面郵送で行うため、出張・出廷日当が実際に発生したケースはこれまで1件もありません。)

出張日当往復2時間超33,000円
4時間超55,000円
7時間超110,000円
出廷日当22,000円

実費  

郵送費、振込費用など実際に当事務所が立て替えたことにより発生した実費額をいただきます。
その他に事務手数料、振込手数料等の名目で費用を請求することはございません。

相続・終活についてお話をしたい
弁護士対談・相続案件の肝
もしもの時の手続き
・その時までとその時から
他の相続人とのやりとり
・相続人確定、連絡が取れない時
遺言をつくる
・想いをのこす、残してもらう
遺産分割の方法
・何から始めたらいいの?
相続を放棄したい
・親の借金は継ぎたくない
遺留分ってなに
・遺言に納得がいかない
相続人がいない
・相続財産はどうなるの?