遺産分割の手順とトラブル解説

遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、亡くなった人の相続財産をどのように分けるかを相続人全員で話し合う手続きのことです。相続財産・遺産に対する思いの強さから、相続人同士でトラブルが起こることもあります。
そのため、しっかりと基本的なことから確実に調べながら手続きを進めることが重要となります。具体的には、遺言書の有無の確認、相続人の調査・把握、相続財産の調査・把握をまずは最初の段階で行い、これらの点にブレがないようにしておきます。
その後で、確定した相続財産を前提に共同相続人全員で分け方を話し合い、遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議が整わない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、その調停でも合意が成立しない場合には、遺産分割審判で解決することになります。遺産分割審判は、相続人間の協議や調停で合意に至らない場合に、家庭裁判所が裁判官の判断で遺産分割方法を決定する手続きです。法的拘束力があり、相続人はこれに従う必要があります。

⑥⑨⑩が遺産分割の問題です

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遺産産分割協議のしかた

遺産分割協議の進め方は基本的に3ステップに分けることができます。
まず、一つ目は「相続人調査」です。被相続人の戸籍を基に誰が相続人かを確認します。法務局の登記官が証明した「法定相続情報一覧図」も必要となります。
また、相続の実務では、全く知らない相続人が出現することもあります。被相続人の先妻の子が典型例ですが、これまで連絡を取ったこともない相続人が現れることもあります。そのような相続人で、たとえ被相続人と何らの交流がなかったとしても、遺言で指定しない限り法定相続分に従って相続財産を請求することができます。

府中市・多摩地区 疎遠な相続人との連絡・交渉方法 ❶兄弟姉妹の代襲相続人

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府中市・多摩地区 疎遠な相続人との連絡・交渉方法 ❸異母兄弟


二つ目は「財産調査」で、被相続人の所有する財産や預貯金、株式、保険などを洗い出す作業が必要となります。金融機関の入出金履歴を辿るなどしながら、もれなく探すことが大切です。相続放棄の判断も必要になりますので、確実に行う必要があります。

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相続人と相続財産の調査が終わったらいよいよ遺産分割の「協議」です。上記の調査結果を元に相続人全員で相続財産をどのように分けるかを話し合います。

協議をする場所について法律上の規定はありません。家庭裁判所で行う遺産分割調停とは異なり、遺産分割協議はどこで行っても良いですし、方法も共同相続人全員が一堂に会する方法でも良いですし、持ち回りで協議することでも構いません。ただ、一旦纏まりかけた話し合いが紛争となることをなるべく防ぐために、協議を行う場所や方式は公平感を保って行い、感情的な内容を伝えないように努めることで後日の無用なトラブル勃発を防ぐ必要があります。

遺産分割協議が整わない場合、家庭裁判所での遺産分割調停に場面を移して解決することになります。

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遺産産分割協議の基本的な手順


遺産分割協議は以下のような手順で進められます。

亡くなった人が遺言を作成していない場合に遺産分割協議を行うことになりますが、遺言を作成している場合でも、長男には2分の1、二男には4分の1、長女には4分の1といった割合だけを定めた遺言の場合は、遺言の定める相続分に従い遺産分割協議を行う必要があります。


法定相続人の確認:まずは誰が相続人であるかを確定させます。通常は亡くなった人の配偶者や子供などです。代襲相続人などにも気をつけて下さい。

知らない法定相続人が出現した場合

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府中市・多摩地区 疎遠な相続人との連絡・交渉方法 ❷前妻の子

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法定相続分の確認:次に各相続人が法律上どれだけ遺産を相続できるかを確認します。これは民法で定められています。
相続財産の確定:被相続人の全財産を明らかにし、その総額を計算します。不動産については、公示価格を確認することや実勢価格の見積もりを取ることも必要になります。

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◆寄与分の主張、特別寄与料の請求、特別受益の問題

寄与分は、被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与(通常期待される程度を超える貢献)をした共同相続人に、その尽力により維持形成された部分を取得させるものです。

特別寄与料の制度は、被相続人の療養看護や財産の維持増加に特別の寄与をした相続人ではない親族に対し、相続人でなくとも適切な請求権を与える制度です。

特別受益とは、相続において特定の相続人が被相続人から生前に受けた贈与や遺贈によって得た利益を指します。特別受益を遺産の前渡しと見て、相続開始時に特別受益額を加算することで、相続人間の不公平を是正し、相続財産の公平な分配を目的としています。

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財産目録の作成:上記で確認した相続財産の詳細をリスト化します。
遺産分割協議:法定相続人全員で相続財産の分割方法を話し合い、合意を得ます。この段階では、可能な限り公平な分割が求められます。
遺産分割協議書の作成:協議で決まった内容を正式に文書化し、参加者全員で署名、実印を持って押印します。印鑑証明書(印鑑登録証明)の添付が必要ですし、証明書の期限にも注意する必要があります。


以上の手順を踏むことで遺産分割協議は進行しますが、相続人、相続財産の確定の段階で問題があると、参加していなかった相続人を参加させてやり直すなどその後の手続きは全てやり直しとなることもあります。
このようなことが起こらないように、協議の前の準備をしっかり行ってから話し合いに臨む必要があります。

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書の作成は、相続財産の分割を全員で合意した後に行います。


遺産分割協議書を自分で作成するポイントは以下の通りです。
全て手書きで作成する必要はなく、パソコンを使って作成することができます。
作成日付を明記します。
全ての相続人を明らかにし、全ての相続人が協議書に署名押印します。
亡くなった人(被相続人)の情報も記載します。
誰がどの財産を相続するのか明確にします。代償金(不動産をもらう代わりに一定の金額を他の相続人に支払う場合には、その金額だけ支払い期日なども明記します。)
生命保険金や死亡退職金の記載は不要です。これらは原則として相続財産ではないからです。
後日判明した財産の取扱いも明確にします。国債や建物更生共済(建更)の満期共済金額を含む証券関係が後から出てきたというケースもあります。調査はもれなく行うことと、万が一の時に備えてこの規定を入れることにも気をつけてください。

実務上よく発生する典型的なトラブル事例

遺産分割協議は全ての相続人が協議に参加する必要があり、このことに関連して問題が生じがちです。
まず、仲の悪い兄弟や、まだ面識のない共同相続人と話し合わなければならない場合、トラブルの原因となり得ます。これについては、協議の方法や場所、発言内容に気をつけることである程度回避できる問題です。

不当な協議書作成の強要

相続人であるあなたが協議の内容に納得していなかった場合でも、兄から無理やりハンコを押せと言われたから押しただけの場合でも、遺産分割協議書が作成されてしまえばその内容のとおりに銀行や法務局は手続きを進めてしまいます。

そのため、相続人の1人又は複数が結託して、自分たちに有利な内容の遺産分割協議書を作成しようとして、内容をろくに説明しないまま遺産分割協議書への署名・捺印を迫ってくることがあります。

相続権のない者の介入によるトラブル

父親が亡くなり、その子供たちが相続について協議を進めている最中、各相続人の配偶者が協議内容に異議を唱えることでトラブルになることがあります。例えば、相続権がない配偶者(例えば兄の妻など)が、自分に直接関係のない故人の財産や人物像について意見を述べることが紛争激化のきっかけとなることがあります。

これにより、発言者とその発言を受けた当事者双方が感情的になり、結果として遺産分割協議がまとまらなくなり紛争へと発展してしまいます。
このような問題が起こりそうな場合、家庭裁判所での遺産分割調停に早々に切り替えることが一つの解決策となり得ます。

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協議後の状況変化への対応

遺産分割協議後に相続財産の再評価や新たな相続財産の発見、行方不明だった相続人の出現したときなどは、協議は無効となる場合があります。
また、遺産分割協議書を作成した後で、相続人のひとりが自分が相続した財産を他の財産と変更したいと申し出るケースもありますが、遺産分割協議は一度成立すると基本的に変更することはできません。

相続に強い弁護士への相談の重要性

遺産分割協議は、初期段階から慎重に進めることが重要です。特に、相続人同士の意見が分かれやすい場面や、配偶者など相続に直接関わらない人の意見が交じることでトラブルが発生しやすくなります。こうした問題を未然に防ぐためには、協議が複雑化する前に早めに弁護士に相談することが有効です。

弁護士のサポートを得ることで、トラブルの芽を早期に摘み取ることができ、無駄な感情的対立や時間の浪費を避けることができます。合意に至る前に弁護士を入れることで、協議を円滑に進め、問題が大きくなる前に適切な対策を講じることが可能です。

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不動産登記(相続登記)の問題点とその解決法


相続登記の義務化は、日本の不動産登記法に関する重要な改正で、2024年4月から施行されることになっています。

これまで、相続が発生した際の不動産の名義変更(相続登記)は任意であり、多くの不動産が相続されたにも関わらず名義変更されていない「名義人の死亡による未登記」が社会問題となっていました。

この問題を解消するため、法改正により相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならないと義務付けられることになりました(不動産登記法改正第76条の2第1項)。正当な理由のない申請漏れは10万円以下の過料の罰則の対象となります。




被相続人の預貯金の解約には必ず遺産分割協議書が必要

被相続人の預貯金の解約には、各金融機関所定の相続手続書類に全ての相続人の署名・実印による押印がなされた遺産分割協議書が必要となります。遺産分割協議が不成立の場合は、協議書に代わるものとして、遺産分割調停の成立による調停調書や遺産分割審判による審判書が必要になります。

金融機関は、払い戻しや解約に応じた後に相続トラブルに巻き込まれないよう、遺産分割協議書の真正な成立を慎重に確認します。

手続きは一度で完了するものではなく、金融機関の窓口対応担当者により指示内容が異なることがあります。十分な時間を確保し、可能であれば窓口担当者を固定するよう依頼することで、手続きの円滑化を図ることができます。

まとめ 遺産分割協議の重要性と地元弁護士による分割協議サポートの必要性


遺産分割協議は、相続人間で相続財産の分配のために必要となる手続きです。相続人間で意見が一致しない場合や、相続の手続きが複雑でなかなか前に進まないような場合は、当事務所の相続に強い弁護士による手厚いサポートを受けることを検討してみてはいかがでしょうか。これまでの多数の経験をもとに、分かりやすくご説明いたします。事務所での初回時間無制限の無料相談でまずはお悩みをお聞かせいただければと思います。

地元の弁護士に相談するメリットとしては、遺産分割協議の状況について足繁く相談や打ち合わせに臨むことができ、また相続登記に詳しい地元の司法書士との連携、相続税に詳しい地元の税理士やがスムーズに行える点が挙げられます。これにより、遺産分割協議が円滑に進む可能性が高まり、不動産の登記の移転や預貯金の解約による預貯金の取得を迅速に行うことがよりスムーズに行うことできるようになります。

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遺産分割協議 弁護士費用

着手金  

取得想定額を問わず一律22万円(取得想定額を問わず一律 消費税込み)

着手金が追加発生する場合
・ 遺産分割調停に移行する場合
追加着手金11万円(消費税込み)

★当事務所独自の着手金定額制度

ご依頼いただく際のご負担に配慮いたしまして、遺産分割協議の着手金については、日弁連基準で算出した着手金ではなく、一律22万円(消費税込み)を頂戴いたします。また、同様に遺産分割調停からお手伝いさせていただく場合も、日弁連基準で算出した着手金ではなく、一律33万円(消費税込み)になります(遺産分割協議から受任し、遺産分割調停に移行した場合、追加着手金11万円(消費税込み)をいただきます。)。

【当事務所独自の着手金定額制度の費用上のメリット】

一般的な法律事務所様での着手金は、旧日弁連基準に従って算出しますので、例えば2000万円の取得が想定される場合の相続案件の場合、着手金は5.5%プラス9.0万円で計算するため119万9000円となりますが、当事務所での着手金は、想定取得額に関わらず一律22万円(消費税込み)になります。

報酬
得られた経済的利益に次の割合を乗じた額 最低報酬55万円(消費税込み)
金3,000万円未満の部分        11%(消費税込み)

金3,000万円以上、金3億円未満の部分  6.6%(消費税込み)

日当

出張日当が発生する場合があります。

実費   
郵送費、振込費用など実際に当事務所が立て替えたことにより発生した実費額をいただきます。
その他に事務手数料、振込手数料等の名目で費用を請求することはございません。

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