法定相続人一覧

民法において定義されている相続人は「法定相続人」と呼ばれます。法定相続人には、亡くなった方の配偶者と血族が含まれます。配偶者は常に法定相続人となりますが、子ども、親、兄弟姉妹については以下のような優先順位が存在します。

血族は最先順位者のみが相続人なります(配偶者は常に相続人となり、最先順位の血族相続人と共同相続人となります)。

同順位が複数いる場合は等分します(但し、第三順位相続において半血兄弟は全血兄弟の2分の1)。

配偶者、血族相続人各相続人についての詳しい民法の規定については下記をご覧ください。

民法において定義されている相続人は「法定相続人」と呼ばれます。法定相続人には、亡くなった方の配偶者と血族が含まれます。配偶者は常に法定相続人となりますが、子ども、親、兄弟姉妹については以下のような優先順位が存在します。

血族は最先順位者のみが相続人なります(配偶者は常に相続人となり、最先順位の血族相続人と共同相続人となります)。

同順位が複数いる場合は等分します(但し、第三順位相続において半血兄弟は全血兄弟の2分の1)。
法定相続人と相続順位一覧

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配偶者・血族相続人の法定相続分

法定相続分とは、法定相続分とは、民法で定められた各法定相続人が取得する遺産の割合のことを指します。

詳細ルールは下記をご参照ください
相続人相続する割合(法定相続分)
配偶者のみ配偶者 1分の1(100%)
配偶者と子(第1順位)配偶者 2分の1(50%)子 2分の1(50%)
配偶者と父母・祖父母(第2順位)配偶者 3分の2(66.7%)父母 3分の1(33.3%)
配偶者と兄弟姉妹(第3順位)配偶者 4分の3(75%)兄弟姉妹 4分の1(25%)
同順位が複数人いる時は等分(但し、第三順位相続半血兄弟は全血兄弟の2分の1)

各相続人についての詳細規定・注意点

同順位の人同士では等分しますが、各相続順位ごとに以下の点にご注意ください。

【配偶者】

各血族相続人と並んで常に相続人となります(民法890条)。

離婚後は相続権はありません。内縁関係の場合も相続権はありません。

第1順位・子、孫ら直系卑属】

・代襲相続

代襲相続は制限なく続きます。再代襲、再々代襲もあります(民法887条2項、3項)。

相続放棄では代襲相続は発生しません。

・養子、連れ子

養子も第1順位の相続人です。但し、養子の連れ子に代襲相続権はありません。

再婚相手の連れ子は、被相続人と養子縁組をしていない限り相続権はありません。

【第2順位・父母、祖父母ら直系尊属】

・代襲相続

第2順位に代襲相続の規定はありません。被相続人と近い尊属(親等の小さい尊属)が相続人となります(889条1項1号)。

父が存命、母が被相続人の死亡より先に死亡して母方の祖父母が存命の場合、父のみが相続人となり、母方の祖父母が母を代襲相続するということはありません。

父母とも被相続人の死亡前に死亡しており、父方母方とも祖父母が存命の場合、4人で等分します。父方は祖父のみ存命、母方祖父母とも存命の場合の各人の相続分は、3等分です(50:25:25ではありません)。

【第3順位・兄弟姉妹】

・代襲相続

代襲相続は一代限りです。再代襲はありませんので、甥の子や姪の子(姪孫・てっそん)に相続権はありません(民法889条2項)。

・半血兄弟

第3順位間の相続分について、相続半血兄弟(父母のうち一方のみを同じくする兄弟姉妹)の法定相続分は、全血兄弟の相続分の2分の1です(民法900条4項但書)。

第3順位に遺留分はありません(民法1028条)。

【法定相続人が全くいない場合】

相続人不存在 -元々相続人がいないか、または全ての相続人が相続放棄をした状態です。

特別縁故者に対する相続財産分与の申立て手続きを行うことで、被相続人との間で生前に特別な縁故があった人(例えば、事実婚の配偶者)に対して、相続財産を分与することを認めてもらうことができます。【府中市・多摩地方版】相続人がいない場合  遺言のすすめと特別縁故者への該当性

遺言がある場合とない場合で相続財産の分け方が変わります

一般的な相続手続きの流れ

法定相続分はあくまで参考基準であり、相続人全員が合意すれば、どのように分けても問題ありません。相続人が協議して遺産の分割方法を決定することを遺産分割協議と呼びます。但し、民法で最低限の取り分として認められている「遺留分(民法1042条1項)」という権利があります(第3順位:兄弟姉妹を除く)ので、この遺留分を侵害しないように協議することが必要です。

遺留分を侵害する遺言を作成しても無効にはなりません。この場合、遺留分を侵害された相続人から遺留分侵害額請求を行うことで遺留分を取り戻す形で手続きを進めることになります。

遺留分とは

さて、遺言書には強い効力があり、全財産を他人に渡すことも可能と紹介しました。しかし相続人としては、いきなり財産の大部分を他人に譲られてしまうと生活に困ってしまいます。他人でないとしても、たとえば長男に全財産を相続させ、長女にはなにも財産が残らないとなると、不公平だと感じるでしょう。
このような事態を防ぐために、民法1042条1項において「相続人が相続できる遺産の最低保障額」が定められています。この最低保証額が「遺留分」です。反対に、被相続人が遺留分の制限を受けずに自由に処分できる分を「自由分」といいます。

遺留分が認められているのは兄弟姉妹以外の相続人、つまり次の方々です。

  • 配偶者
  • 直系卑属(子や孫など)
  • 直系尊属(両親など)

遺留分として認められている権利は、遺言書で奪うことはできません。つまり、遺留分は遺言書より優先されるということです。

遺留分の対象となる財産は民法の1044条に規定されており、具体的な内容は次のとおりです。

  • 相続財産(財産から債務を控除した額)
  • 遺贈(遺言により譲られた財産)
  • 生前贈与(相続人に対する贈与は相続開始前10年間、相続人以外に対する贈与は原則として相続開始前1年間が対象)

これらの財産が遺留分を計算する対象、すなわち「遺留分の基礎となる財産の額」です。

遺留分の計算方法・割合

遺留分は次の式で計算されます。
遺留分の基礎となる財産の額×遺留分割合=遺留分額
具体的な遺留分額は、遺留分割合によって左右されるということです。遺留分割合については、まず法定相続人全体に割り当てられる「総体的遺留分」が定められています。総体的遺留分は「法定相続割合の1/2または1/3」とされており、残された相続人の状況によって異なります。相続人が直系尊属(親など)のみであれば総体的遺留分は法定相続分の1/3、それ以外のケースでは法定相続分の1/2です。
ここから各法定相続人に割り当てる「個別的遺留分」を計算します。個別的遺留分は「総体的遺留分を法定相続分で分けた割合」です。具体的な事例を、表を使って紹介します。

相続人の状況遺留分の合計 (総体的遺留分)法定相続各相続人の遺留分 (個別的遺留分)
配偶者のみ1/21/11/2
配偶者と子ども一人1/2配偶者:1/2. 子:1/2配偶者:1/4. 子:1/4
配偶者と子ども二人1/2配偶者:1/2 子:1/4 子:1/4配偶者:1/4 子:1/8 子:1/8
配偶者と両親1/2配偶者:2/3 両親:1/3配偶者:1/3 両親:1/6 (父:1/12・母1/12)
配偶者と兄弟姉妹1/2配偶者:3/4 兄弟姉妹:1/4配偶者:1/2 兄弟姉妹:なし
子(孫)のみ1/21/11/2
両親(祖父母)のみ1/31/11/3
兄弟姉妹(甥・姪)のみ01/10

父母が二人とも健在している場合や、子どもが二人以上いる場合には、人数分で割った数字が各相続人個別的遺留分です。相続人が3人(配偶者A、子B、子C)の事例で遺留分侵害額を計算してみます。

条件

  • 配偶者A・子B・子Cが相続人
  • 遺留分の基礎となる財産の額は2,000万円
  • 遺言書により配偶者Aが1,500万円、子Bが300万円、子Cが200万円を相続

「配偶者と子ども二人」の状況のため、個別的遺留分は次のとおりです。

  • 配偶者A:1/4(500万円)
  • 子B:1/8(250万円)
  • 子C:1/8(250万円)

子Bは300万円像属していますが、子Cは200万円しか相続していません。つまり子Cには250万円(遺留分) - 200万円(相続金額) = 50万円の遺留分侵害額が発生しています。遺留分侵害額については、遺留分の基礎となる財産を自分の遺留分を超えて取得している人に対して請求できます。つまり上記のケースでは、子Cは配偶者Aと子Bの双方に遺留分侵害額請求できるということです。

府中の相続に強い弁護士が伝授 遺留分侵害額請求の方法、消滅時効にも注意!

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