府中市の事故に強い弁護士が丁寧に説明 示談金と慰謝料は違うのか?

交通事故の損害賠償手続きでは、示談金という言葉や慰謝料という言葉、いろんな種類の○○金、○○料、○○額などが出てきて混乱してしまいがちです。

こちらでは、まず「慰謝料」と「示談金」について説明させていただき、言葉の意味を整理します。続いて、弁護士基準と自賠責基準・任意保険基準の違いについても項を改めて解説します。

慰謝料とは

慰謝料は、精神的な苦痛に対する補償として支払われます。

交通事故の場合、慰謝料は以下のように分類されます:
入通院慰謝料(傷害慰謝料): 治療のための入院や通院に対する補償。
後遺障害慰謝料: 事故による後遺症が残った場合の補償。
死亡慰謝料: 被害者が死亡した場合の遺族への補償。
近親者慰謝料: 被害者の近親者が精神的苦痛を受けた場合の補償

(財産以外の損害の賠償)
第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

この民法710条が慰謝料の根拠条文になり、交通事故に限ってお話ししますと、事故によって生じた精神的ダメージに対する補償として機能するものです。

この慰謝料の種類には主として、お怪我を負ったことに対する傷害慰謝料(入通院慰謝料ともいいます。)、後遺障害が残ったことに対する後遺障害慰謝料、死亡したことに対する死亡慰謝料があります。車を傷つけられたことについての物損に対する慰謝料も観念はできますが、認められることはほとんどありません。

示談金とは

示談金とは、事故が起きた際に、当事者間で裁判所の外で話し合い、お互いが納得する形で決められた金銭の支払いを指します。

示談金には、治療費、休業損害、逸失利益、慰謝料などが含まれます。これは、当事者間の合意によって決まる金額であり、被害者に対するすべての賠償を含むことが一般的ですお互いが納得できず金額に合意できない場合は示談は成立しませんので、裁判所での判決や訴訟上の和解に移行します。
示談の不可逆性: 示談が成立すると、基本的にはその内容を後から変更することは基本的にできません。したがって、示談金の金額が妥当であるかを慎重に確認することが重要です

示談金のうち大きな費目となるもの

この示談金には、下図の通り、精神的な苦痛の補償である慰謝料のほか、事故により収入が減ってしまった又は無くなってしまったことに対する填補の意味を持つ❶休業損害(休業補償)や❷逸失利益、その他、物損、治療費などさまざまな種類のお金が含まれることがあります。

賠償金の中でも大きな金額になることが多い下図での❶休業損害(休業補償)、❷逸失利益(後遺障害が残ることで将来に渡って働く力が落ちることの補償です)、❸傷害慰謝料(入通院慰謝料)、❹後遺障害慰謝料の賠償金の他、下記に示します交通費、通院費、付添介護費など全て合わせたものが「示談金」になります。

賠償金の中でも大きな金額になることが多い下図での❶休業損害(休業補償)、❷逸失利益(後遺障害が残ることで将来に渡って働く力が落ちることの補償です)、❸傷害慰謝料(入通院慰謝料)、❹後遺障害慰謝料の賠償金の他、下記に示します交通費、通院費、付添介護費など全て合わせたものが「示談金」になります。
この4つの費目が交通事故損害賠償の柱です

示談金に含まれる慰謝料・休業損害以外の金銭の具体例

治療費・葬儀費(死亡事故の場合)
家屋・自動車等改造費・付添介護費(後遺障害にともなうもの)
買い替えに伴う登録などの費用
装具・器具(人工関節の定期的植替えなど)購入費
車両等の買い替えにおける差額
通院にかかる交通費(駐車場代も含む)
車両等の修理費 など

休業損害、慰謝料、主となる賠償金の種類のご説明

図表で表しました❶から❹ の各項目について、それぞれの違い、どのような時に請求できるかについて説明します。

賠償金の中でも大きな金額になることが多い下図での❶休業損害(休業補償)、❷逸失利益(後遺障害が残ることで将来に渡って働く力が落ちることの補償です)、❸傷害慰謝料(入通院慰謝料)、❹後遺障害慰謝料の賠償金の他、下記に示します交通費、通院費、付添介護費など全て合わせたものが「示談金」になります。
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上段・下段の違い

上記にご説明いたしましたが、示談金と慰謝料とは意味が異なる言葉です。示談金の一つの内容として慰謝料があります。

交通事故でお怪我をされた場合について図をもとにご説明いたしますと、下段の赤い部分、精神的苦痛への補償として支払われる費目、❸傷害慰謝料(入通院慰謝料)と❹後遺障害慰謝料の二つが合わせて慰謝料として支払われる金額になります。死亡の場合の死亡慰謝料や死亡又は死亡と同じような重症の場合に近親者慰謝料が発生する場合もあります。

上段の青い部分、収入に対する補填の目的で支払われる費目であります❶休業損害(休業補償)❷逸失利益、これらや物損、治療費、入院付添費などを合わせて相手方保険会社などから受け取る金額全てを全部合わせて「示談金」と表現するというイメージです。

右側・左側の違い

図の左側の列にあるお怪我に対する賠償、❶休業損害や❸傷害慰謝料(入通院慰謝料)は、お怪我が治る又は治らず後遺障害の状態に移るまで(症状固定まで)の期間、仕事を休んだ、怪我で辛い思いをしたことについての賠償費目となります。

図の右側の緑色の列にある後遺障害に対する賠償、具体的には収入に対する補填である❷逸失利益や心(精神的苦痛)へのケアである❹後遺障害慰謝料の上下の二つは、後遺障害診断書を作成し自賠責調査事務所に申請を行うことにより後遺障害等級が認定されることで初めて請求できるようになります。

ですので、お怪我が治癒すればもちろん良いのですが、治癒せずに後遺症が残ってしまった時に、後遺障害等級を獲得することが適切な損害賠償金を獲得するためにとても重要なことになります。骨折や靭帯損傷の場合だけではなく、いわゆるむち打ち症状についても、痛みや痺れ、めまい、耳鳴りなどの症状が残る場合に、後遺障害等級を獲得できるよう事故直後から準備を行うことが重要です。

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示談金や慰謝料の意味をご理解いただきました次の段階は、弁護士基準という言葉の意味・重要性の説明に移ります。

交通事故被害者の方に適切な賠償金を獲得していただくために、損害賠償金の計算基準としての弁護士基準と自賠責基準・任意保険基準の違いを知っていただきます。

弁護士基準による場合の賠償金の増額幅

上図をご覧いただきますと、先ほどの図と違い、❶〜❹の各賠償金が色を濃くしているだけ大きくなっていることがおわかりいただけるのではないかと思います。

❶休業損害、❷逸失利益、❸傷害慰謝料及び❹後遺障害慰謝料のそれぞれが先ほどの図よりも大きくなっています。この大きさの差が弁護士基準による場合の賠償金の増額幅を表しています。

交通事故の損害賠償においては、「自賠責基準」、「任意保険基準」、そして「弁護士基準(裁判基準)」の3つの基準が存在し、それぞれ異なる賠償額と手続き方法があります。
自賠責基準
自賠責基準は、交通事故の被害者に最低限の補償を提供することを目的としています。例えば、治療費や慰謝料の支払いが迅速に行われるため、手続きが簡易であることが特徴です。しかし、賠償額は最低限の水準にとどまり、重傷事故や死亡事故の場合には不十分なことがあります。
任意保険基準
任意保険基準では、自賠責基準を上回る賠償が期待できますが、保険会社との交渉が必要です。被害者自身が交渉する場合、保険会社は通常、内部基準に基づいた賠償額を提示します。具体的な金額はケースバイケースであり、保険会社の裁量により異なることがあります。
弁護士基準(裁判基準):
弁護士基準は、裁判で認められる賠償額に基づいて算定されるため、最も高額な賠償が期待できます。弁護士を通じて交渉を行うことで、裁判を経ずにこの基準に近い金額を得ることが可能です。弁護士は裁判基準に基づいて適正な賠償額を求め、保険会社が応じない場合には裁判を視野に入れた対応を行います。裁判を起こさないと支払われないわけではありませんので、裁判基準というよりは弁護士基準という表現がふさわしいと考え、「弁護士基準」と表記しています。

つまり、❶休業損害、❷逸失利益、❸傷害慰謝料及び❹後遺障害慰謝料の全ての項目について弁護士基準で請求することによりそれぞれ賠償額が膨らませることができるため、合計するとより大きな差が出ることになります。

後遺障害等級獲得による逸失利益と後遺障害慰謝料を弁護士基準で請求する威力

特に❷逸失利益と❹後遺障害慰謝料の二つは❶休業損害と❸傷害慰謝料と比べてもさらに大きく膨れています

❶〜❹の各賠償金が色を濃くしているだけ大きくなっている中でも、特に❷逸失利益と❹後遺障害慰謝料の二つは、❶休業損害と❸傷害慰謝料と比べてもさらに大きく膨れているのがおわかりいただけるのではないかと思います。

❷逸失利益と❹後遺障害慰謝料は、後遺障害等級を獲得しなければ請求できません。逆に後遺障害等級を獲得することができれば、賠償金を最高の基準である弁護士基準でこの2つの賠償金を合わせて請求することができるため、より多くの賠償金額を取得することができるようになります。

下図は、❷逸失利益と❹後遺障害慰謝料の2つの費目が自賠責基準と比べてどの程度賠償額を大きくできるかを比較した表です。

❷逸失利益と❹後遺障害慰謝料は、後遺障害等級を獲得しなければ請求できません。逆に後遺障害等級を獲得することができれば、賠償金を最高の基準である弁護士基準でこの2つの賠償金を合わせて請求することができます。
後遺障害等級を獲得して逸失利益と後遺障害慰謝料を弁護し基準で請求すると自賠責基準と比較して大きく増額できます

赤い枠で囲っているところは当事務所でよく扱う、むちうちの14級9号(神経症状)、骨折の12級5号(関節の動きが悪くなる機能障害)、顔に傷ができた9級16号(醜状傷害)や併合9級ですが、14級、12級、9級の賠償額は、自賠責基準ですとそれぞれ75万円、224万円、616万円であるのに対して、弁護士基準ですとそれぞれ約201万円、約1123万円、約2772万円と3倍から4.5倍程度の大きな額になることがわかります。

最大限適切な示談金を獲得することは自賠責基準や任意保険基準での交渉では実現することは難しく、慰謝料を含む示談金の交渉を弁護士基準で行うことにより実現する可能性が高まることがわかりました。

またその上で、後遺障害が残った場合に適正な後遺障害等級を獲得して、後遺障害に対する賠償である逸失利益と後遺障害慰謝料を裁判基準で交渉することが最大限適切な示談金を獲得するために大切であることもよく分かります。

府中・多摩地域の交通事故は、事故に強いあさかぜへご相談ください

当事務所は、府中市を中心として多摩地方での交通事故案件について、事故直後から被害者の方の心のケアを含め親身なサポートを行い、弁護士基準での納得いただける賠償を実現しております。事故についてのお悩みは時間制限のない初回無料相談にて弁護士がしっかりとお話をお伺いし、賠償手続きの見通しや弁護士費用の見積もりを明確にお伝えいたします。

時間無制限初回無料相談でお悩みをしっかり伺います

・弁護士に依頼する

⇨最高基準である弁護士基準での慰謝料を含む示談金の交渉が可能

・事故に強い弁護士に任せて適切な後遺障害等級を獲得する

⇨賠償額に大きな差が出る逸失利益や後遺障害慰謝料を請求できる

∴事故に強い弁護士に依頼することで、

最高基準の弁護士基準で休業損害や傷害慰謝料だけでなく逸失利益や後遺障害慰謝料を獲得することができる

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Yoshioka Makoto
弁護士法人あさかぜ法律事務所代表弁護士 「明けない夜はない」を胸に依頼者とともに。 相談の席で弁護士が真摯にお悩みを受け止めることで、心と体の重荷が解き放たれる。 癒えた心で法的助言を聞き、新たな未来の光を見つける。 その後、依頼者と弁護士が共に歩み解決へと導く。 明けない夜はありません。