借金の整理を依頼すると家族や職場にわかるのでしょうか。

自己破産や民事再生を行う場合、破産手続き開始決定が下されたこと、免責決定が出たこと、再生手続きの開始が決定したこと、再生計画が認可されたことなどが官報に掲載されます(官報には紙面やネット上のものがあります)。

官報を閲覧、購読する方はあまりいらっしゃらないでしょうから、官報掲載の事実をもってご家族や勤務先に借金整理をしていることが判明することは多くはありません。

一方で任意整理の場合、裁判所の手続きではなく官報に載ることはありません。

官報以外で知られる可能性

ただ、官報以外からも債務整理についての情報が出てくることがあります。

自己破産手続きや民事再生手続きの仕組みから、判明している債権者に対しては債権調査票を送る必要があります。そのため、勤務先からの借り入れがある場合、勤務先に対し調査票を送る必要があり、債務整理の事実は勤務先に判明します。

その他の原因(給料の差し押さえ)

また、あなたの勤務先が債権者に知られている場合、すでに借金滞納について判決が出ているなどの状況によってはあなたの給料の差し押さえがなされる可能性があります。

この場合は、裁判所からの給料差押え通知が勤務先に届くことで借金問題の事実は勤務先に判明します。

破産者情報の開示サイトについて

政府の個人情報保護委員会は、破産者の氏名や住所などを違法に掲載した事業者に対し、個人情報保護法に基づきサイトでの自己破産情報提供の停止を命令しました。

悪質な点は、情報の削除を希望する人に6万~12万円をビットコインで払うよう要求しているところです。

将来の安定した生活を取り戻すために勇気を振り絞って破産手続きを行った方に二次被害を与えるもので強い憤りを感じます。

このほかにも官報の情報をもとに甘言を弄する業者からの誘惑もあり得ます。十分に気を引き締めて対応いただきたいと思います。

絶対に家族に隠しとおすのは困難

任意整理を行う場合であれば、官報に載ることもありませんし、当事務所から必要もなくご家族の方に債務整理の事実をお伝えすることは決してございませんが、ご家族に債務整理の事実が判明しないように借金の整理を行うことをお約束することはできません。

ご相談の際に状況をお伺いします。お伺いしたご相談者の状況にもよりますが、同居のご家族に対しては、情報を十分に共有し、未来の安定した生活に向けて今ご自身がすべきこと、ご家族に協力していただきたいことを話し合うことを勧奨する場合もあります。

債務整理により困難な状況を乗り越えて、これからの長い時間を一緒に暮らすご家族に動揺なく安定した生活を送っていただくためにもご家族とともに向き合っていただくことが必要と考えられえるときにはそのような助言をさせていただくこともある子をとご承知おきください。