弁護士費用特約がない場合の弁護士費用のシミュレーションをしました。
弁護士費用を差し引いてもご依頼者さまのお手元にお渡しできる賠償金が増額になる場合、逆に減額になってしまう場合を合わせてご紹介しておりますので、コスト感を掴んでいただきます。無料相談の際に弁護士からも明確にご説明差し上げます。
着手金 | 報酬金 | |
---|---|---|
保険会社より示談金の提示がない場合 | 0円 | 220,000円+獲得金額の11% |
保険会社より示談金の提示がある場合 | 0円 | 220,000円+増額分の22% ただし、保険会社からの提示額からの増額分を上限とします。 |
しかし、いざ実際に弁護士に依頼しようとなると、「ほんとに弁護士入れるほどのことなのかな?」「弁護士が得して終わるだけなんじゃないかな」といったご不安に悩まされると思います。弁護士費用特約がない場合には、ご本人がお手元にされる賠償金額に直接の影響がありますからこのことは切実な問題です。
弁護士費用特約のない場合の弁護士費用のコストとメリット
なお、具体例の金額は弁護士費用のイメージを持っていただくための一般的な賠償例のご紹介ですので、必ず表記の金額になることを保証するものではない点をあらかじめご了承ください。
❶傷害部分のみの示談交渉で、相手方保険会社から提示額が出ている場合
弁護士が裁判基準(弁護士基準)で相手方保険会社と交渉をすることで、ご依頼者が最終的に取得される賠償金が増額できた事例です。
◆事例設定
専業主婦
むち打ち通院50日
治療期間6か月
過失0割(追突)
傷害慰謝料と休業損害額が増額のポイントです。
・自賠責基準やそれとほぼ変わらない任意保険基準
傷害慰謝料と休業損害 合計72万5000円
傷害慰謝料 42万円 (4200円✖️通院日数50日✖️2倍=42万円)
休業損害 30万5000円 (6100円✖️50日)
・裁判基準(弁護士基準)
傷害慰謝料と休業損害 合計143万7000円
傷害慰謝料 89万円 (むち打ちで通院6か月の場合。骨折などの場合は同期間で116万円)
休業損害 約54万7000円 (平均賃金(賃金センサス)令和5年 女性全年齢 399万6500円で通院日をかけて、399万6500円÷365日✖️50日=547,000円
弁護士費用のコスト感とメリット感の比較
・自賠責基準(任意保険基準もほぼ同額)
傷害慰謝料と休業損害の合計72万5000円
・弁護士依頼後の裁判基準(弁護士基準)
傷害慰謝料と休業損害の合計143万7000円
ここから弁護士費用(220,000円+増額分の22%156,640円=376,640円(消費税込み))を差し引いても約34万円の増額を実現できます。
※注! 弁護士依頼によるデメリット(コスト倒れ)が具体化する事例あり
通院日数が比較的多く、休業損害がほぼ発生していないような事例、被害者の方の過失割合の大きい事例では、傷害部分のみで増額できる項目は傷害慰謝料のみのとなるため、弁護士費用を引いてしまうと相手方保険会社の提示額に満たなくなる場合があります。このリスクについては無料相談の際にしっかりと明確にお伝えし、強引に依頼を迫ることはありません。ご安心ください。
なお、弁護士費用特約に加入されている場合、この増額分全てをご依頼者にお渡しすることができます。
❷後遺障害部分も含めた示談交渉で、相手方保険会社から提示額が出ている場合
傷害慰謝料と休業損害については上記の説明と同一です。
大きな増額を実現させる点は、後遺障害慰謝料と逸失利益の部分です。
◆後遺障害慰謝料
・自賠責基準
14級の後遺障害慰謝料は32万円 任意保険基準でも多少数字が大きい程度で大差はありません。
・裁判基準(弁護士基準)
14級110万円
◆逸失利益(後遺障害が残り働く力が落ちる将来分の休業損害)
・自賠責基準
基礎収入に労働能力喪失率や喪失期間を掛けることで逸失利益額が算出されることは裁判基準(弁護士基準)と一緒ですが、自賠責基準には金額の上限があり、図表の通り、14級では、「逸失利益と後遺障害慰謝料合わせて75万円まで」しか支払われません。任意保険基準もほぼ同等の金額しか提示してきません。
・裁判基準
約91万円
自賠責基準と異なり、上限はないので、基礎収入に労働能力喪失率や労働能力喪失期間から逸失利益を算出します。具体例に従いむち打ち14級9号専業主婦の方の場合には、
399万6500円(平均賃金(賃金センサス)令和5年 女性全年齢)✖️0.05(労働能力喪失率14級5%)✖️4.5797(労働能力喪失期間5年のライプニッツ係数)=約91万円です。 3,996,500*0.05*4.5797=915,138
弁護士費用のコスト感とメリット感の比較
・自賠責基準、任意保険基準
147万5000円 (標準的な賠償提案額)
・弁護士依頼後の裁判基準(弁護士基準)
約344万7000円 (標準的な賠償提案額)
279万円が弁護士費用を差し引いてご依頼者さまにお戻しできる標準的な金額になります。
弁護士が裁判基準で交渉することにより、傷害慰謝料、休業損害、後遺障害慰謝料及び逸失利益の合計額を344万7000円程度まで増額することが可能です。ここから弁護士費用(220,000円+増額分の22%433,840円=653,840円(消費税込み))を差し引いても約131万円の増額を実現できます。
図表の通り、後遺障害等級を獲得している場合には、増額幅を大きくしやすい後遺障害慰謝料や逸失利益の費目の交渉により弁護士に依頼されるメリット=賠償額の増額を実現しやすくなります。この事例では、弁護士費用を差し引いても約131万円の増額となりました。
なお、弁護士費用特約に加入されている場合、この増額分全てをご依頼者にお渡しすることができます。
後遺障害等級を獲得することによる逸失利益、後遺障害慰謝料の2つについては、休業損害や傷害慰謝料に比べて増額幅が大きくなりやすいことが特徴です。
示談金の増額、慰謝料の増額方法は? 裁判基準(弁護士基準)による請求の威力